電子機器が子どもに与える影響

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テレビやゲーム、パソコンやスマートフォン。現代の子どもは、生まれた時からこれらの電子機器に囲まれており、幼児のうちから使用する子も多いです。
ある最近の調査によれば、2歳から小学校入学前までの幼児のスマホ使用率は約20%で、タブレット端末を保有する世帯では、50%以上の幼児が端末を使用しているようです。そして、このような子どもの電子機器の使用率は今後も上昇していくことが確実と言われています。ちなみに平成25年度の内閣府調査によれば、10歳以上の小学生のスマートフォン「所有」率は13.6%。平成24年度が7.6%、それ以前が0%であることを考えるとすごい勢いで普及していることが分かります。
このように、子どものうちから電子機器に触れることはもはや当たり前のことになりつつあります。
それでは、電子機器の使用が子どもに与える影響にはどのようなものがあるのでしょうか?

 

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視力低下

・幼稚園児の4分の1以上が視力1.0未満

テレビやゲーム、スマートフォンの画面を長時間見続けることは当然視力の悪化につながります。
裸眼視力が1.0未満の子どもの推移は、幼稚園児から高校生まで一様に上昇し続けています。文科省が発表した『学校保健統計調査』によれば、幼稚園児のうち裸眼視力1.0未満の子どもは、平成18年度には24.07%でしたが、平成28年度には27.94%にまで上昇しています。また、小学生についても、平成18年度には28.36%だったのが平成28年度には31.46%にまで上昇しています。幼稚園児の時点で、すでに4分の1以上の子どもが裸眼視力1.0に満たないのは驚きです。
テレビやゲームによる子どもの視力低下は平成18年度の時点でも十分に影響していたでしょうから、ここ10年の視力低下の原因はやはりスマートフォンの普及によるところが多いと思われます。
上述のように、幼児のスマートフォン使用率は約20%、10歳以上の小学生のスマートフォン「所有」率は平成25年度で13.6%に達しています。幼稚園児や小学生でもスマートフォンのアプリで遊んだりYouTubeを視聴する子どもが年々増えており、子ども同士の遊びのツールとしても従来のゲーム機に代わりスマートフォンが使用されることが増えてきました。こうした背景から、子どもの裸眼視力の低下傾向は今後も続いていくと思われます。

 

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・眼鏡の不自由さ

「眼鏡をかけるのはイヤ!」と眼鏡をかけたがらない子どもも多いですが、小さい頃から電子機器の画面を見続ければ眼鏡をかけなくてはいけなくなります。見た目の問題だけでなく、体育や休み時間に走り回るような場合、眼鏡は邪魔になります。サッカーやバスケットなど、接触系の部活動に入っている場合には、裸眼を強制されることもあり、不自由を迫られることにもなります。
また、幼少期から目を悪くすれば、大人になった後、目が悪すぎて眼鏡やコンタクトなしでは家の中も歩けなくなるなど、日常生活に支障をきたす危険もあります。視力が悪くなりすぎると、眼鏡を作る際のレンズも太くなりすぎて、作れる眼鏡が限られてくるなどの不自由もあります。

 

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・一定の視力が必要な職業も

それだけでなく、警察官や消防官、自衛官、パイロットなど、一部の職業では裸眼視力の決まりやレーシックなどによる屈折矯正手術を認めない決まりがあります。これらの職業は子ども(特に男の子)に人気の職業でもありますが、視力が悪いために子どもが夢をあきらめなければならないという悲劇は避けたいです。

 

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睡眠障害

・ブルーライトとは

そもそも、ブルーライトとは、人の目で見ることができる光(可視光線)の中で、最も強いエネルギーを持つものです。
このブルーライトは、適量であれば人体に良い影響を与えます。たとえば、太陽光にもブルーライトは含まれていますが、朝にブルーライトを含んだ太陽光を浴びることは体内時計を整える効果があります。

 

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・過度なブルーライトは睡眠障害を引き起こす

ですが、過度にブルーライトを浴びると、体内時計を狂わせてしまい、睡眠の質を低下させたり不眠の原因となってしまいます。また、睡眠障害はセロトニンという脳内物質を減少させ、集中力の低下やイライラの原因にもなります。
そして、このブルーライトは、パソコンやスマートフォン、液晶テレビなどからの放出量が特に多いのです。

 

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「寝る子は育つ」と言うように、子どもの成長にとって睡眠はとても重要です。テレビやパソコン、スマートフォンの見過ぎは子ども健全な成長を阻害してしまいます。

 

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スマホ首(ストレートネック)

スマートフォンや携帯型のゲーム機の使いすぎはスマホ首(ストレートネック)の原因となります。スマホ首とは、本来緩やかなカーブを描いている頸椎の形状が、スマートフォンの見すぎ(首を前に垂らした状態)によりカーブが失われてしまった状態のことを言い、現代日本人の8割が発症している新たな国民病とも言われています。
頸椎の緩やかなカーブが失われてしまうと、頭の重みを和らげるクッション機能も失われ、頭の重みが頸椎に直接のしかかってしまいます。頭の重さは体重の10%にも相当し、これが頸椎に直接のしかかると、肩こり、めまい、頭痛、手や腕のしびれ、自律神経失調症などの症状が出てしまいます。

 

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感受性・コミュニケーション能力の低下

テレビを観ている時間やゲームをしている時間、スマートフォンを触っている時間が長いと、人との接触が減ってしまいます。
生身の人との接触が少なければ、その分相手を思いやる感受性や、コミュニケーション能力も乏しくなってしまいます。

もっとも、電子機器の使用が、感受性やコミュニケーション能力を直接低下させるわけではないので、人との対面でのコミュニケーションを取る機会を多く確保してさえいれば、電子機器を使用していても感受性・コミュニケーション能力は身につけることができます。

 

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中毒性・依存度が高い

こうしたいろいろな悪影響を与えうる電子機器ですが、やっかいなことにこうしたテレビやパソコン、スマートフォンといった電子機器は、中毒性・依存度が高いです。
面白いわけではないのに、ついダラダラとテレビや動画を見続けたことのある人や、時間の限りゲームをやり続けたことのある人もいるでしょう。

中毒性・依存度が高いために、幼児に上記のような悪影響が与えられる可能性は少なくありません。

 

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学習系アプリを使って成績アップ

このように悪影響が多い電子機器の使用ですが、教育面で良い影響もあります。
それは、スマートフォンやタブレットの学習系アプリの使用により、子どもの成績を向上させることができる点です。

子どもの学習系アプリでは、可愛いキャラクターや楽しい音楽を使ってゲーム感覚で学習できるため、子どもが能動的に勉強し、成績を上げることができるというプラスの面があるのです。
実際、アプリの使用によって子どもの学力が向上したという研究結果も出ています。
アプリの品質はどんどん上がっていますので、より魅力的で効果的なアプリが今後も開発され、子どもの学習を助けてくれるでしょう。

 

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家族や友達とのコミュニケーションツールになる

テレビをつけていると番組の内容から話題を見つけやすいです。そのため、テレビは家族団らんの便利なツールになります。

子ども同士でもテレビ番組が話題になることも多いと思います。テレビ番組の話題が子ども同士の流行になることもあります。そのテレビを見ていれば一緒に遊ぶことができますが、見ていなければ仲間外れにされることもあります。また、戦隊ものやアニメ番組、ゲームなどは、子ども同士の話題や一緒に遊ぶ時のツールになるでしょう。
このように、テレビやDVD、ゲームなどは子ども社会でのコミュニケーションツールとして不可欠なものになりつつあります。

 

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テレビゲームも子供を成長させる

ひと昔前であれば、ゲームは子どもに悪い影響を与えるだけと言われていたと思います。
しかし、ゲームが子どもに良い影響を与えることもあります。

まず、ゲームにはクリアするという目標があります。子どもたちはクリアすることを目標に、どうすればクリアできるのかを考えながらゲームをします。これにより、想像力やどのように目的を達成できるかを考える力を鍛えることができます。
また、新しいコミュニティーを形成するきっかけになります。親御さんの中にも、現在の友人と仲良くなったきっかけはゲームという方もいるかもしれません。同じものが好きというのは、子どもが仲良くなるきっかけとしては重要なものです。

このように、ゲームが子どもに良い影響を与えているところもあります。

 

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IT機器に強い子どもに成長し得る

社会のIT化が加速し、IT機器を使いこなす重要性はますます高まっています。また、2020年度からは小学校でのプログラミング教育も必修化されるようです。

幼い頃からパソコンやタブレット、スマホといったIT機器に触れておくことでIT機器に苦手意識を持たない子ども、IT機器に強い子どもに成長することができます。

 

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以上のように、テレビやゲーム、パソコン、スマートフォンなどの電子機器の使用は、長時間使用すれば、子どもにいろいろな悪影響を与える可能性があることが分かりました。あのスティーブ・ジョブズも自分の子どもに電子機器を長時間さわらないよう厳格に注意していたようです。
もっとも、使用時間や使い方に注意・工夫をすれば、子どもにとって良い面もいろいろあることが分かりました。
大切なのは使い方です。これらの電子機器を単に子どもに与えたり、一律に禁止するのではなく、適切な使い方を考え、示したうえで使わせてあげることが重要なのではないでしょうか。

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