小学校受験の面接は、合否を分ける重要な科目です。面接では、子どもに対する質問だけでなく、母親への質問、さらに父親への質問もあります。
面接での質問内容や学校側が求めている答えはある程度傾向があります。こうした傾向をつかんで対策をしている人とそうでない人とでは、面接官の印象面で大きな差が開いてしまいます。ここでは、面接官に好印象を持ってもらうためのポイントや失敗例について見ていきたいと思います。

 

子どもへの質問

小学校受験において、学校はその子が入学した後集団生活をする中で周囲と調和を取ることができるか、共同生活を送っていけるのかという点を重視します。その際、こうした入学後のその子の姿を想像する上で、面接での会話はとても重要な資料となります。
ここで注意したいのは、面接官は子どもに対する面接の中で、その背後にいる親の考えや子どもへの接し方を見ようとしている点です。子どもの答えを通して、保護者自身の親としての資質が問われているのだということを忘れないでください。

 

住所・電話番号はスラスラと言えるように

「住所電話番号を教えてください」という質問はテッパンです。暗記事項になりますので面接本番の緊張でど忘れしてしまうことのないよう普段から暗唱しておきましょう。
小学校受験をする年齢の子どもでしたら、住所電話番号を覚える記憶力は十分にあります。それにもかかわらず、スラスラと言えなければ、親の教育への配慮のなさを感じ取られてしまいます。また、迷子その他の緊急時への配慮のなさと捉えられることもあるでしょう。

 

質問の答えは一歩二歩掘り下げた答えまで準備しておく

質問に対する答えは理由付きで話すことができると説得的ですし、きちんと考えることができる子と評価され好印象です。また、質問は単発で終わらず追加してされる場合もあります。そうした場合でもあらかじめ理由付けを準備しておき、その質問について掘り下げて考えておくことは、追加の質問をされた場合にフリーズしにくくなるという効果もあります。

たとえば、「お母さんにはどんなときに叱られますか?」という質問がよくされます。ここでも、叱られる側の子どもを見ているのではなく、親がどういう理由で子どもを叱るのか、そして子どもが叱られる理由を認識・納得するような説明ができているのかを重視して見ています。

この質問に対する答えの例は、以下のようなものです。
面接官「どんなときにお母さんに叱られますか?」
子ども「ごはんを食べているときにテレビばかり見ていると叱られます」
面接官「どうしてごはんのときにテレビを観ていると叱られるのですか?」
子ども「食べ物へのありがとうの気持ちが薄くなってしまうからです」

食事のときにテレビを観ることは、行儀が良くないですし食事への意識が散漫となりダラダラ食べ続け肥満の原因にもなり得ます。そのほか、親子の会話が減る原因にもなるので、これを叱ることには一般的に妥当性があると言えます。そして、「食べ物への感謝」を理由にすることは、子どもへの道徳的教育がきちんとできているという好印象を与えるでしょう。

他にもよくされる質問として、「兄弟げんかはしますか?」「お手伝いはしていますか?」「小学校に入ったら何がしたいですか?」などの質問がよくされますが、はいorいいえの答えだけでなく、もう一歩二歩掘り下げた答えを準備しておきましょう。
「兄弟げんかはしますか?」の答えが「はい」なら、どういうときにけんかをするのか、どういう形で終結することが多いのかまで準備しておきましょう。終結の形の答えとしては、「(弟とおもちゃの取り合いになりけんかになるが、)一緒に楽しく遊びたいから一番欲しいおもちゃは弟にあげます」のように、思いやりの感情を示すことができれば好評価を得られるでしょう。

 

質問中に親の方をキョロキョロ見ない、親もペラペラしゃべらない

面接の事前準備は大事ですが、本番で子どもが「この答えは何だっけ?」とキョロキョロ親の方を見てしまっては、事前に丸暗記しただけ感・親に言わされている感が出てしまい印象が良くありません。
普段の練習から、親の言ったことを復唱させるのでなく、子ども自身が考え答えることを意識させた練習をしていきましょう。
また、子どもへの質問なのにお母さんが「○○なのよね?」と子どもに替わってぺらぺら話し出すのもNGです。面接官は、子どもの口から答えを聞くことを望んでいますし、過保護・過干渉の印象を持たれかねません。

 

親への質問

小学校受験では親への面接も行われます。小さな子どもの精神的・身体的成長は、親の影響が大きく作用します。そのため、子どもを預かる学校側としては、親の教育方針や価値観が学校の方針・価値観と合致するかどうかを面接を通して確認したいと考えています。また、母親だけでなく父親も、子どもをその学校へ入学させたい積極的かつ熱心な気持ちを持っていることをアピールすることが重要です。


また、小学校受験の合否に家庭環境は大きく左右されると言われています。もちろん、子どもの受答えや態度で家庭環境はわかります。しかし、それ以上に親への質問から、その家庭がどういうものかが見えるともいわれています。このような意味で、親の受答えは小学校受験の大きなポイントとなると言えます。

父親への質問

実は面接での失敗例には、父親による回答が多いのです。以下で代表的なものについて見ていきましょう。

母親との意識のギャップを感じさせる回答

小学校受験をさせる家庭の場合、母親は総じて受験に熱心で、我が事のように考えてしっかり対策も講じます。一方、父親の中には、「そもそも小学校から私立に通わせる必要なんてあるの?」、「受験するのは子どもでしょ」、「自分は仕事で忙しいからお母さんがしっかり準備しておいてね」などなど、必ずしも積極的でない人も少なくありません。
面接では両親の熱心さ、子育て・教育に一緒になって取り組む姿勢が重視されています。質問に対する回答で、そもそも受験に対して否定的・懐疑的な回答をしたり、関心がないような印象を与える回答など、母親との意識のギャップを感じさせる回答はNGです。
実際にあった話ですが、面接で父親が「質問がくだらない」と言って、事前の打ち合わせ内容を無視して母親と全然違った話をした結果、夫婦共同の姿勢を疑われ不合格となったケースもあります。

 

プレゼンのような口調

父親の中には、かしこまった場での話となるとビジネススイッチが入ってしまう人もいます。中には、面接官の質問に対し、あたかも会社でのプレゼンかのように話し出す人がいますが(「なぜ当校を志望されたのですか?」といった質問に対する答えに顕著です)、ここはあくまで子どもの入学のための面接です。しどろもどろに話したりや投げやりな話し方になるよりは、流ちょうにスラスラと話した方がよいですが、伝えるべきは熱心さ・誠実さ・子どもを思う親としての気持ちや夫婦共同の意思です。こうした感情を伝えるには、ビジネス的な口調・話の流れをするよりも、ひとつひとつの言葉を丁寧にしっかりと伝えることを意識した方がよいでしょう。

 

休日の過ごし方で自分の話ばかりする

保護者への質問では、休日の過ごし方を質問される場合も多いです。ここでも自分の趣味や資格勉強など、「ビジネスマン的休日の過ごし方」を得意げに話す父親がいますが、面接官が聞きたいのは子どもとの接し方です。
「平日は仕事で遅くなり、子どもとの時間がなかなか取れないので、休日は子どもとキャッチボールをしたり一緒にお風呂に入ることで子どもとのスキンシップを取っています」など、子どもや家族に関わる話をすべきです。

 

抽象的な言葉が多い

父親に限った話ではありませんが、抽象的でありきたりな言葉は面接官には響きません。「子どもにはどのような大人になってほしいですか?」との質問に対し「誰にでも優しくできる大人になってほしいです」との答えは無難ですが、それが具体的にはどういう大人なのかが見えてきませんし、延いては子育てのうえで重要な親の人生観も見えてきません。
同じく志望理由について聞かれたときに、HPやパンフレットに書かれてある学校理念に共感した、というだけではやはり抽象的・ありきたりで面接官には響きません。志望校に知り合いのお子さんがいればその子や親の話を聞いてみる、学校説明会に行ってみる、実際に学校行事に参加してみる、といった実体験を通じた生の声を届けることが面接官の心を動かすうえで重要です。

 

母親への質問

総じて、母親は子どもの受験に熱心で面接対策も入念にすることと思います。もっとも、熱心さが仇(あだ)になることもあります。

子どもや父親への質問に介入する

面接官が子どもに質問にしているのについつい自分から話し出してしまう母親がいます。たとえば、面接官が子どもに「大きくなったらどんな仕事がしたいですか?」と質問しているのに母親が「太郎はお医者さんになりたいのよね」と答えてしまうような場合です。このような母親は、面接官に過保護・過干渉との印象を持たれ、子どもの自主性を育むうえで問題のある親ではないかとマイナス評価されてしまいます。
また、子どもが答えるときに目でなにか特定の答えを言うように促すような仕草をするのもNGです。繰り返しになりますが、面接官は子どもに質問しているのであって、子ども自身の言葉を聞いているのです。
同じく、父親に対する質問のときに話し出してしまうのもNGです。面接官は夫婦が協力し合って子育てしている姿を求めているのに、これでは母親が一人ではりきているように思われてしまいます。

 

面接ファッション

質問の受答えももちろん大切ですが、服装も重要です。某デパートに「小学校受験に着ていく服装」というコーナーができるくらい、皆が力を入れています。服装が悪くて、面接で失敗しないようにしましょう。 直感的にスーツというのはイメージできるかと思いますが、スーツといっても色、形と多種多様です。ネクタイは何色にしますか?また、服装だけではありません。母親には、メイクという難しいポイントもあります。 父親と母親で当然違いますので、それぞれポイントとなる点をみてみましょう。

父親の服装

基本的にはスーツです。普段からスーツで仕事をされている方は比較的多いかと思います。しかし、受験とビジネスでは当然違います。ビジネス仕様から受験仕様に合わせていきましょう。

無難なスーツが一番

父親の服装はスーツが基本です。ジャケットスタイルではなく、セットアップのスーツとする方が無難です。落ち着いた印象、誠実な印象を与えるようにします。基本的には、形や柄、色もベーシックなものを選びましょう。

柄ものは避けましょう。ビジネスでは、ストライプがあっても問題ないと思いますが、無地のものが無難です。色はネイビー(濃紺)、グレー、黒がベーシックといえます。できる限り、ダークな方がお勧めです。ただし、親子、子ども三人とも同じ色になってしまう場合はグレーを選んでもよいかもしれません。同じ色が悪いというわけではありませんが、主役である子どもを引き立てるためです。

また、生地にも注意を払ってください。パーティーとかで見かける表面がツルツルしたようなスーツはNGです。ポリエステルやナイロンの割合が多いスーツは避け、ウール100%のものを選びましょう。上品な印象を与えます。

 

スーツ以外で気を付けるべきポイント

ワイシャツもシンプルなものが良いでしょう。無地の白が基本です。襟もベーシックなものを選びます。極端に広くなければ、許容範囲ですが、レギュラーカラーが無難でお勧めです。また、ボタンダウンは避けた方が良いです。カジュアルな印象を与えてしまいます。

ネクタイもスーツやシャツと同様に無地が無難です。ただし、レジメンタル(ストライプ)でもOKです。レジメンタルには、右上がりと左上がりがあります。「右肩上がり」ということで、縁起をかついで右上がりのレジメンタルを選ぶのもよいかもしれません。色は気を付けましょう。青系の方が無難といえます。また、色といえば、学校を表すカラーというのがあります。大学スポーツをよく観戦している方は、「あの学校と言えば、〇〇色だ。」と思いつくと思います。少し、ごますりが過ぎる気がしますが、学校側としては、嫌な思いはしないと思います。

 

実は重要な足元

スーツ、シャツ、ネクタイは、誰しもが気にするところです。しかし、ここで安心してはいけません。

足元もしっかりしましょう。靴が重要!と思う方がいるかもしれませんが、残念ながら面接は室内でやりますので、靴は見られません。ただし、学校に入る際や帰る際に、見られる可能性もありますので、つま先が極端にとがっているものやテカテカしているものは避けましょう。

足元で重要なのは靴下です。意外と気にしない方も多いかもしれません。そのため、受験指導校では、特に注意されるポイントです。
白の靴下は、ビジネスでも完全に論外ですので、履いている人はいないとは思います。色は黒でよいでしょう。
問題は丈です。面接はほとんどが座って行われます。座るとズボンは必然的に上がってしまいます。ここで、「すね」が相手に見えている場合があります。少し残念な感じに見えます。一般的なビジネス靴下ですと少し短いかもしれませんので、受験用に長めの靴下を買うのもありかもしれません。
靴を脱いでスリッパを履いていることがほとんどでしょうから、当然穴が開いているものはNGです。

また、スリッパを用意するのも忘れないようにしましょう。ほとんどの学校では、スリッパが用意されていますが、中には持参が必要な学校もあります。母親は、受験指導校や幼稚園などで持ち運びできるスリッパを持っている方が多いと思いますが、父親も用意しておきましょう。

 

受験はお洒落をする場所ではありません。無難な服装で十分です。ただし、普段とは違うしっかりとしたスーツを用意し、ビシッと決めましょう。

母親の服装

専業主婦の方や働いている方であっても、普段からスーツを着ている方は少ないかと思います。普段着慣れていない分、父親よりも服装が難しくなります。また、メイクはどの程度すべきか…気を付けるべきポイントを見ていきましょう。

父親同様、スーツが無難

母親は、知的で優しく、そして清楚な印象を与えることが大切です。重要なのは、父親と同様ですが、周りに合わせて無難なものを選ぶのが大切です。
色は濃紺が良いでしょう。黒でもよいかと思いますが、濃紺の方が清楚なイメージを与えます。
また、パンツスーツよりもスカートの方がよいでしょう。パンツはカジュアルな印象を与えてしまいます。スカートを選ぶのが無難です。スカートの丈の目安は、座った時に膝が隠れる程度です。膝が見えてしまうと、印象は悪くなります。面接時は座るということを意識して考えましょう。
ジャケットとスカートのツーピースでも良いですが、一般的なのはワンピースとボレロの組み合わせです。ジャケットでもボレロでも襟付きのものが良いです。襟は、ショールカラーやテーラードカラーのものを選びましょう。

 

メイクや髪形は?

メイクや髪形も気になるところです。これは、母親ならではの悩みですね。

メイクはナチュラルメイクが良いでしょう。ノーメイクはNGです。
印象としては、明るく、清潔感を出しましょう。また、上品さも求められるので、鮮やか過ぎる配色はNGです。張り切りすぎて、普段よりも濃くなるのもよくありません。厚塗りは避けましょう。
面接官に好感が持たれるメイクを心がけましょう。
髪形は、華美になりすぎないようにしましょう。ロングの方は、ハープアップスタイルやポニーテールでまとめましょう。黒のシュシュやバレッタを使うと、上品な印象を与えます。ミディアムぐらいの長さの場合、挨拶をしたときに髪が顔にかかるようなら、まとめた方が良いです。
髪を染めている方もいるかと思います。明るすぎる色は当然、NGです。深い茶色程度がよいでしょう。色が落ちて派手になっている場合には、事前に美容院で染め直すことをお勧めします。
ネイルは、避けた方が良いかもしれません。長い爪もNGです。家事をしていない印象を与えてしまいます。

 

バックはシンプルに

バッグは、黒のフォーマルバッグが無難です。持ち物によっては、サブバックを持ちましょう。メインは、財布やハンカチ、携帯が入る小さめのバッグ、サブバッグは、A4サイズの書類が入る大きさのトートバックが良いでしょう。書類やスリッパを収納できるバックとして便利です。
また、面接時は床に置く場合が多いので、倒れないものが良いです。また、あからさまにブランド名がわかるものは避けましょう。

 

 

見た目で判断するだけではありませんが、見た目の印象は重要です。いくら受答えが良くても、見た目が悪いと残念ですね。逆に見た目も良いと説得力が増します。

とはいっても、張り切りすぎないようにしましょう。見た目で差をつけるのではなく、周りに合わせ無難なものでまとめるのがポイントです。そして、あくまでも子どもが主役というのを忘れないようにしましょう。