「イクメン」(子育てする男性)という言葉が世の中に浸透してしばらく経ちます。この言葉は、2010年6月に当時の長妻昭労働大臣が国会で発言したのを端緒に一気に浸透しました。「イクメン」は、子育てする父親、という意味だけでなく、育児休暇を取得するなど積極的に子育てを楽しむ男性を指した言葉です。

こうした言葉の流行もあってか、一昔前までは「育児=母親の役目」という認識だったのがずいぶん変わってきたように思います。それでは、実際のところ、お父さんは家庭の中でどのような育児を担当しているのでしょうか?また、育児休暇取得の現状はどうなっているのでしょうか?

株式会社バンダイが発表した「バンダイ子どもアンケートレポートVol.100」や厚労省の発表を参考に見ていきたいと思います。

父親の子育て

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父親による子育てが人気の理由

「お風呂入れ」が圧倒的首位

お父さんが担当している育児の中で圧倒的首位なのが「お風呂入れ」です。その主な理由は、子どもの入浴時間とお父さんの帰宅時間が上手く重なることや、一日のうちの貴重なスキンシップの時間となることなどです。『ちびまる子ちゃん』や『クレヨンしんちゃん』でも、お父さんと一緒にお風呂に入るシーンはたびたび目にしますね。お風呂の中で身体を洗ってあげたり、おしゃべりをする時間は、父子のコミュニケーションを図る時間・場所として重要です。
お風呂入れを楽しんでいるお父さんは多く、子ども(特に娘)が一緒にお風呂に入ってくれなくなる日は、お父さんにとってのXデーのようなものです。子どもから「お父さんと一緒に入りたくない」と言われるのが怖くて、自分から一緒に入るのをやめるよう切り出すお父さんもいますね。
お風呂入れは、子どもが大きくなるにつれて必然的に少なくなっていきますが、6~8歳の子のお父さんで42.1%、9~12歳の子のお父さんでも22.5%がお風呂入れを行っており、全世代を通じて首位に立っています。

 

続いて多いのが「遊び」

続いて、0~2歳、3~5歳に共通して多いのは「遊び」です。とても小さな頃なら、「高い高い」や「お馬さんごっこ」など、もう少し大きくなればトランプで遊んでみたり一緒にテレビゲームや子どもの好きなアニメのごっこ遊びをしたりします。仕事帰りのお父さんとしては、少々しんどいときもあるでしょうが、子どもにとってお父さんとの時間は限られた楽しいひと時です。小学校に入学すると友達と遊んでいる方が楽しいと思う子どもも増えてきます。子どもがお父さんと夢中になって遊びたがる年代は想像以上に早く過ぎてしまいます。お父さん自身の思い出のためにも、子どもとは遊べるときに思いっきり遊んでおくのが良いのではないでしょうか。

 

「何もしていない」も上位にランクイン

一方、育児を「何もしていない」と回答したお父さんもそれぞれの年代で10%程度いました。「何もしていない」と言っても、決してネグレクトというわけでなく、ルーティンとして何かを担当していないというだけでしょうが、少々寂しい気もします。もっとも、後述の通り、お母さん自信もお父さんに担当してほしい育児について「特にない」と回答した方が圧倒的多数でした。

 

お母さんがお父さんに担当してほしい育児

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一方、お母さんがお父さんに担当してほしいと思っている育児は何かというと、圧倒的首位が「特にない」でした。この傾向は子どもの年代が上がるにつれ大きくなり、6~8歳、9歳~12歳では50%を超えていました。 どうやらお母さんの心理としても、何かを担当してほしいというよりも、自分が家事を行っている間、子どもの相手をしてくれたらそれでいい、というようです。「もっと育児がしたい!」という育メンパパには少し寂しいかもしれませんね。

父親の育休取得率は過去最高に

お父さんと育児の関係を考える際に気になるのが育児休暇(いわゆる育休)の取得率です。欧米では、お父さんが育休を取るのは当たり前という風潮もある中、日本は国際的に見て育休取得率がきわめて低いのが現状です。厚労省は2020年度までにお父さんの育休取得率を13%にする目標を立てていますが、その目処は未だまったく立っていません。 それでも、2017年5月に厚労省が発表した2016年度のお父さんの育休取得率は3.16%と、過去最高を記録したそうです。33人に1人しか育休を取得していないことを考えると、まだまだ育休を取得することは圧倒的マイノリティ(少数派)で、お父さんとしてははばかれてしまうところです。ですが、働き方改革が叫ばれる今日において、わずかでも育休取得者が増加していることは、将来において育休取得がもっと取りやすくなっていくことを示唆しているようにも思えます。 なお、同じく厚労省の発表では、お母さんの育休取得率は81.8%で、5人に4人は育休を取得していることが分かりました。

まとめ ~お母さんへの感謝の気持ちを伝えてあげよう~

以上、お父さんが担当している育児と育休所得の現状について見てきました。 多くのお父さんが、子どものお風呂入れや遊びを通して育児に協力していること、お母さんはお父さんに対して育児に多くを望んでいないことが分かりました。 ですが、お父さんが子どもに対してもっともしてあげるべきことの一つが、「お母さんに感謝する気持ちを持たせること」ではないでしょうか。育児は楽しいばかりでなく、教育のために叱ること、そのために一時的に子どもから嫌われてしまうことも多々あります。お母さんは、そのように言わば憎まれ役を買って出ているのに対し、お父さんは、帰宅後少ない時間を一緒に楽しく過ごすだけで「良いとこ取り」をしている面もあります。ほとんどのお母さんは、子どもに「お父さんはみんなのために毎日一生懸命働いているから感謝しなくちゃダメよ」と教えています。一方で、一体どれだけのお父さんが「お母さんは○○のために、料理やお掃除、お洗濯をして頑張ってくれているんだよ。○○のために、時々本当は叱りたくないのに叱っているんだよ。感謝しなくちゃね」と言ってあげているでしょうか? 決して長くはない、子どもの育児をする期間。お父さんには目いっぱい子どもと触れ合い、お母さんへの感謝の気持ちを子どもに伝えてあげてほしいですね。