子供が引っ込み思案なケースで、始めに誤解しないでいただきたいのは、「引っ込み思案=良くない」というわけではないということです。

人の性格はそれぞれ違って当然ですし、人生の過程で様々な体験や出会いを通して変わっていくものでもあります。

昔大人しかった同級生が20年ぶりに同窓会で再会したら、別人のようによくしゃべる社交的な人になっていたり、昔はやんちゃで自分をからかってきていた人がすごく大人しい人になっていた、なんてことはよくある話です。

そして、重要なのは、引っ込み思案な子供を改善したいと気にかける親の多くが、引っ込み思案だった時期を経験しているということです。
つまり、引っ込み思案が嫌だ、引っ込み思案は損をするという思い込みが大なり小なりあって、自分の中にある思いを子供に投影しているパターンの1つであることが多いのです。

人は概して、損すること・苦痛を避けるように脳ができていて、自分の人生で損したことを強く記憶していたりします。
味方を変えれば、実は引っ込み思案で得していたこともあったはずなのに、損したことばかり目について記憶に残っていくのです。

引っ込み思案で得をしたこととは、例えば、引っ込み思案な性格だったからこそ、積極的な人・リーダー的な人との相性が良くて可愛がってもらえた、引き立ててくれたとか、引っ込み思案だからこそ、無用な争いに巻き込まれずに済んだ、などなど。

こういったプラスの部分は、フォーカスされないことが多いです。もともとの性格が引っ込み思案であれば、それをいうまく活かしつつも、自分の意見をしっかり持って、他社を思いやれる人に育ってくれるといいですね。

 

とはいえ、人や物事に対して明るく積極的な性格のほうが得をすると思うのも無理ないですし、引っ込み思案な子ども自身、「もっと誰とでも話せるようになれたらな…」と感じている子も少なくありません。

そこで、ここでは引っ込み思案な子どもを、明るく積極的な性格へと導くべく、気付きを与えるポイントについて紹介したいと思います。

1 自信がつく体験をさせる

自分に自信をつけることができれば、自然と積極的・主体的な性格になっていきます。

自信をつけるには習い事が有効です。水泳で25m泳ぐことができる、ピアノの曲を一曲弾けるようになる、など分かりやすい目標を達成することができれば自信もつきやすいです。

その際、ささいなことでいいので、どんどん褒めてあげてください。褒められることで子どもは小さな自信をつけ、その小さな自信の積み重ねが目標達成という大きな自信につながります。

一つの具体例として、私は子どもの頃サッカークラブに所属しており、チームメイトの一人にとても内気な子がいました。彼は親に勧められ入部したものの、サッカーが特別好きでもなければ得意でもなく、いつもグランドの隅にいるような少年でした。

ですが、ある日の練習試合で偶然ゴールを決めて以降、自分に自信をつけ、放課後も毎日のように練習をするようになりました。自信がついたことで練習に励むようになり、上達することでさらに自信をつける好循環の結果、すぐにチーム内でも積極的に話をする明るいキャラクターに変わっていました。

 

2 コミュニケーション能力を身につける

コミュニケーション能力が豊富な引っ込み思案の子、というのはあまりいませんよね。
コミュニケーション能力を身に付け、誰とでも楽しく話すことができるようになれば、積極的で明るい性格にもなります。

それでは、コミュニケーション能力を身に付けるにはどのようにすればよいでしょうか?

 

引っ込み思案な子供に色々な体験をさせて話のネタを作る

笑いの帝王・明石家さんまさんは「こないだなー、こんなことあってん!」と、実に色々な出来事をネタにしてトークをしています。

さんまさんほどのトークスキルを持つ子どもはいないと思いますが(笑)、子どもの場合でも出来事・体験があると話のネタになるため話しかけやすいですし盛り上がりもします。

話のネタになる出来事や体験をするには、積極的に子どもを外に連れて行ってあげることです。旅行や釣り、登山などのアウトドアであれば話題性もばっちりですが、たとえば近所のスーパーに寄るだけでも、夕飯のお魚をどれにするか選んでもらう、駐車場のチケットを取ってもらう、道中でかけっこをしてみる、そんなちょっとした体験の一つ一つが子どもにとってはネタになります。

 

親子でたくさんおしゃべりをする

コミュニケーション能力の基本は、しゃべることです。テレビやゲームばかりをしていたのでは言葉を交わすこともなくおしゃべりをする機会もありません。

そのため、家の中ではお母さん・お父さんが積極的に子どもとおしゃべりをしてあげましょう。
子どもがテレビやゲームが好きなら、それらを一緒に観たりプレイしながら話すのでも構いません。

 

他人の気持ちを考える機会を与える

話のネタが豊富でおしゃべりするのに事欠かない子でも、相手の気持ちを慮(おもんばか)ってあげることができなければ、人間関係を築くことはできません。逆に自分の話ばかりする嫌な奴、になってしまいます。。

そこで、普段から他人の気持ちを考える機会を与えてあげるようにしてあげましょう。

たとえば、「○○くん元気なかったけど何かあったのかな?」迎えの家に新しいワンちゃんが来たね。前からいたワンちゃんはどんな気持ちなんだろうね?」など、他人の気持ちを考えるきっかけとなる話をしてあげると良いでしょう。

 

子ども同士で遊ぶ機会を与える

コミュニケーション能力を身に付けるには、やはり同世代の子どもたち同士で遊ぶのが一番です。

すでに友達同士の子と遊ぶのも良いですが、親せきに歳の近い子がいれば、その子と一緒に遊ぶ機会を設けてあげるのも良いです。

初対面の子やまだ少し距離のある子と接触する機会が多いほど、コミュニケーション能力は身に付きやすくなります。

もっとも、内気な性格の子どもは全然話すことができずに居心地の悪い思いをすることも少なくありません。

ですので、お母さんやお父さんが臨機応変に間に入って、三人でおしゃべりをするような形をとってあげるなどして、子どもが話しやすいようにサポートしてあげましょう。

 

まとめ

以上、引っ込み思案な子どもを積極的な性格に導く方法について紹介しました。

最後に、念を押しておきたいことは、冒頭で述べたように「引っ込み思案な性格=良くない」ということでは全くないということです。

内気な性格の子は、その分外の世界を俯瞰的に見ることができ、また独自の世界観を育むことができるという傾向もあります。
芸能界で活躍している人の中にも、中川翔子さんなど子どもの頃は引っ込み思案だったという方は多くいます。

積極的で明るい性格が得をすることは多くありますが、それを強制したり内気な性格をマイナスなことであるかのような考え方を押し付けることが無いようにしてくださいね。

子供に対して、「もっと積極的に発言しないと」とか「XX君はいつも積極的だね」とか、人と比較したり自分の考えを押し付けるのは逆効果です。

お母さんお父さんが自分の引っ込み思案な性格で悩んでいると子どもが感じてしまったら、そのことが子どもにとって大きな傷となり、自分を苦しめてしまうことになります。

性格は人それぞれで個性です。子どもの個性を尊重して接してあげるようにしてください。