「子どもに何か習い事をさせたいのだけど、何がいいのだろう?」そんなふうにお考えのお父さん・お母さんも多いかと思います。
幼児期の男の子に人気の習い事は一体何なのでしょうか?人気の理由とともに見ていきたいと思います。
1位 スイミング
1位はスイミング。例年1位争いをする定番の習い事です。
人気の理由
・丈夫な身体づくり
スイミングは全身運動なので、身体全体の筋肉をバランスよく発達させることができます。また、循環器官の向上も期待できるため、子どもの喘息が改善したという話もよく聞きます。
・教室がたくさんあり、送迎バスも出て安心
スイミングスクールはどこにでもありますし、送迎バスが出ているため送り迎えの必要がありません。
・五輪等で日本人選手が活躍
五輪や世界選手権で日本人選手が活躍していることも、スイミングを身近に感じさせ、またかっこいいと思わせる理由になっています。
・けがをしにくい
サッカーや野球、空手のような運動系の習い事の場合、骨折や捻挫の心配がありますが、スイミングでけがをすることはまずありません。
・小学校に入ってから困らないように
小学校に入り、水泳の時間に泳げなくて困らないようにと考える親御さんも多いです。
2位 英語
2位は英語。かつては幼少期に英語を習っている子どもは多くありませんでしたが、小学校での必修化も定着してきた現在、すっかり定番の習い事となりました。
人気の理由
・グローバル社会
グローバル社会にあって、英語の必要性はますます高くなっています。将来きっと役に立つ、という期待が人気の一番の理由となっています。
・受験
高校受験、大学受験において英語は必須なので、進学にも役立ちます。
・幼少期の学習が最適
幼少期の外国語学習については賛否がありますが、言語を音で覚えることができる幼少期に英語を学ばせたいと思う親御さんは多いです。あまりに小さいときだと、日本語も英語も不十分になるおそれがあるので、4歳ころ以降が無難でないかと思われます。
3位 サッカー
3位はサッカー。昔なら野球だったでしょうが、現在では球技での習い事はサッカーが不動の一番人気となっています。
人気の理由
・人気の国民的スポーツ
Jリーグの試合やワールドカップなどの国際試合が多く放映されていることや、海外クラブで活躍する日本人選手が増えたことなどからも、今や老若男女に人気の国民的スポーツとなりました。
・子どもから習いたがる
幼少期の男の子は自分から習い事をしたいと言うことは少ないです。ですが、サッカーは、小さい子どもにも人気のスポーツなので、友達と一緒に習いたいなどと子どもの方から言うことも少なくありません。
・協調性を身につけることができる
チームプレーが必要とされるスポーツなので、協調性を身につけることもできます。
4位 体操
昔から人気の習い事です。小学校の体育のように、マット運動や鉄棒、跳び箱など、広く教えてくれる教室もあれば、新体操や器械体操に特化した教室もあります。
人気の理由
・体力の向上、ストレス発散
体操は身体全身を使うので、体力の向上や免疫力の向上につながります。また、適度な運動によってストレス発散もできます。
・体操人気
五輪や世界選手権などで活躍する日本人選手が増えたことも、体操人気の一因でしょう。
5位 ピアノ
かつては女の子の定番の習い事でしたが、最近では男の子の習い事としても人気になりました。
人気の理由
・楽器が演奏できるようになる
男女問わず、楽器を演奏できることを素敵に思う人は多いですね。ピアノは楽器の登竜門のような存在で、ピアノを演奏できれば、他の楽器も演奏できる(楽譜を読むこともできる)と言われることもあります。
・情操教育に良い
楽器の演奏は情操を豊かにするのに良いと言われています。
・集中力や忍耐力が身につく
繰り返し練習することで集中力や忍耐力を身につけることができます。
・脳に良い
楽器の演奏、特にピアノは、指を使いながら、先を読み、また楽譜を暗記するため、すべての脳の働きを高めます。
・絶対音感が身につく
幼少期からピアノなどの音楽を習うと、絶対音感が身につくといわれています。
*絶対音感とは、ある音(純音および楽音)を単独に聴いたときに、その音の高さ(音高)やドレミが瞬時にわかる能力です。
聴覚の発達は、その期間がかなり限定されています。5歳くらいから下降していき、7歳でさらに急激に下降するといわれていますから、絶対音感を身に着けるには小さいうちからピアノなどを習わせるのがよいでしょう。
6位 将棋
最近では藤井颯太四段などの若手棋士の登場や、チャーミングなキャラで人気急上昇中の加藤一二三九段などが連日のようにメディアを賑わせており、習い事としても徐々に人気になってきています。
人気の理由
・とにかく手軽にプレイできる
将棋盤と駒さえあればどこでも打つことができます。屋内でやるので天候にも左右されません。
・深い思考力が鍛えられる
将棋は定石と言われるものから無数の手があり、数手先の戦略を考えながらプレイすることが必要なため、深い思考力が鍛えられます。
・礼儀が学べる
将棋は幅広い年代と交流することができるため、家族以外の目上の方との交流の仕方を知ることができますね。年上の方から将棋のルールも社会のルールも学ぶことができ、一石二鳥です。
7位 学習塾(幼児教室、そろばん塾)
学習塾の低年齢化は進んでおり、0歳から入塾できるところもあります。
人気の理由
・お受験の準備
教育の質が求められるようになり、小学校受験をする子どもの数も増えています。
・価値観の合ったママ友ができる
学習塾に子どもを通わせる親御さんには教育や子供の将来に対する価値観の近い人が多いため、親子同士仲良くなれたり、教育に関する情報交換をすることができます。
8位 バイオリン
実はおすすめの習い事の一つです。
人気の理由
コンパクトで場所を取らない
バイオリンは、コンパクトで、軽くて、保管場所にも困ることがありません。
特に小さな子供用のバイオリンなんて、本当におもちゃみたいに可愛いです。
子供用のものでも、軽くて持ち運びがしやすいですので、レッスン教室への移動は子供自身に持たせることができます。
リュックのように、ケースに肩紐が付いているタイプのケースもあり、ひょいと背中にバイオリンを背負う子供の姿も、本当に可愛いです。
忍耐力、集中力、感性の向上
バイオリンは、やはり毎日の練習が欠かせない習い事です。
レッスンに通っているだけでは、決して上達しないからです。
家で毎日の練習をこなすには、それなりの忍耐力が必要です。
他の楽器のように、ここを押さえたらこの音が出る、というものではないので、感覚を研ぎ澄ませることが必要になります。
必然的に集中力が身につきます。
美しい音を出すために、どのように弾くか、どんな風に弾きたいか、そのためにどうすればよいか、考えなければなりません。
クラシック音楽も様々なものを聴く楽しさに目覚め、感性が豊かになります。
子どもの精神教育上効果がある習い事は?
男の子に人気の習い事とその理由について見てきました。せっかく習い事をさせるのなら、その習い事が上手になるだけでなく、精神的にも成長してほしいですよね。それでは、どのような習い事が子どもの精神教育にとって効果的なのでしょうか?
精神的成長
・情操
「情操教育」だとか「情操豊か」といった言葉がよく用いられますが、いまいち分かりにくいですよね。情操とは、美しいもの、すぐれたものに接して感動する、情感豊かな心のことをいいます(デジタル大辞泉)。 こうした情操は、暗記中心の勉強の中よりも、スポーツや芸術活動の中で養われていきます。特に、音楽やお絵かき、書道は、子どもの美的感覚を磨き感受性を豊かにするので、情操面の成長にとても効果的です。
・協調性
習い事の多くは、集団の中で行われます。集団行動の中で子どもは譲り合いや助け合いを学び協調性を身に付けることができます。 この協調性は、特にチームプレイ・チームワークが必要とされる集団スポーツの中で養成されます。サッカーや野球、バスケットといった団体競技がその典型です。
・礼儀
子どもに習い事をさせるとき、礼儀を身に付けてほしいと思う方も多いと思います。どの習い事でも、あいさつなどの基本的な礼儀は大事にされていますが、中でも礼儀が重んじられるのは、武道系(剣道、柔道、空手、合気道など)の習い事です。武道系の習い事では、あいさつはもちろん、正座やちょっとした黙想などもルーティンとして行うので、礼儀だけでなく落ち着きも身に付けることができるようになるでしょう。 習い事の先生は、学校の先生よりも身近な存在、あるいは場合によっては怖い存在です。そのため、習い事の先生の言うことには素直に耳を傾ける子どもが多く、礼儀を身に付ける点で習い事は効果的です。
・チャレンジ精神・継続力・自信
習い事が子どもの精神面に与える効果としては、目標を達成しようとするチャレンジ精神やその過程で得る継続力、そのほか目標を達成することで得る自信などがあります。 こうした効果はどの習い事でも得ることはできますが、たとえばスイミングのように「25mを泳げるようになる」「25mを○秒で泳げるようになる」「○級になる」のように、具体的な目標を設定しやすい習い事、成果を実感しやすい習い事の方がより効果的でしょう。習い事を続けていると、子どもがさぼり気味になったり、上手くいかずに落ち込むこともあります。そんな場合でも、親御さんがこうした具体的な目標を子どもに示してあげることで、「もう少し頑張ってみようかな」と思わせ、チャレンジ精神・継続力・自信などを得るチャンスをなくさないようサポートをすることができます。
習い事をする上での都会と地方の違い
ここまで、男の子の習い事ランキングとその精神教育上の効果について見てきましたが、習い事をする上で都会に住んでいるか地方に住んでいるかの違いはないのでしょうか?
都会の方が選択肢が多い
習い事をする上での都会と地方の違いは、一般的には選択肢の数とそれに伴う質(先生の指導力やカリキュラム編成など)の差かと思います。
・都会
いろいろな種類の教室がたくさんありますし、交通機関が充実しているので通えるエリアも広くなります。また、各教室間の競争が激しい分、教室の平均的な質も上がります。
・地方
地方(特に田舎)ではスイミングスクールならあそこ、学習塾ならあそこ、といったようにどうしても消去法的に決めなくてはならなくなってしまいます。
この記事で紹介した人気の習い事は、大抵どこでも教室自体は存在しますし、よほどの英才教育を望むのでない限り、教室の選択肢の狭さをそれほど気にすることはないかと思います。たしかに、田舎だと教室までの送り迎えに車で数十分かけないといけない、といった不便はあるかもしれませんが、田舎だから質が良くないなんてことはありませんし、消去法的に選べる分迷わずに済むというメリットもあります。
学習塾はやや別
学習塾に関して言えば、都会の方が競争意識は強く、幼少期からの入塾率も高いので、周りの環境的に都会と地方とで相応の差がある点は否めません。とはいえ、2017年の公立小中学校の全国学力テストランキングでは、1位石川県、2位秋田県、3位福井県、4位富山県、5位愛媛県と、地方勢が上位を占めており、地方だから学習環境が良くないとは言えないことが分かります(ちなみに、東京都6位、愛知県21位、福岡県28位、大阪府45位、という結果でした)。