インターナショナルスクールに通わせて後悔した8つのこと

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グローバル社会となり英語の必要性がますます強くなる現代。

都市部を中心に外国人観光客も激増し、なんだか日本と外国との距離もぐっと近づいた気がしますよね。

そんな時代だからこそ、「子どもには英語の早期学習を!」と、インターナショナルスクール小学校への進学を考えている親御さんも少なくないはず。それでは、インターナショナルスクールに通わせれば、子どもは英語ペラペラで卒業できるのでしょうか?

お金はいったいどのくらいかかるのでしょうか?中学校以降の進路はどうなるのでしょうか?ここでは、インターナショナルスクールに通わせた後に「失敗した!」なんてことにならないよう、代表的な後悔の例を紹介していきます。

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とにかくお金がかかる学校教育費は年間200万円(公立学校の33倍)!


インターナショナルスクールは何といってもお金がかかります。学校教育費だけでも年間約200万円はかかります。

私立小学校の学校教育費が年間約88万5千円(平成26年度「子供の学習費調査」)、公立小学校なら年間約6万円ということを考えれば、いかに高いかが分かります。

これに、給食費やイベント費、さらに習い事の費用がかかってくるので、結局のところ年間250万円~300万円が平均となるでしょう(ちなみに、私立小学校の習い事にかける費用は年間約60万4千円、公立小学校は約21万9千円です)。

インターナショナルスクール入学による出費は小学校だけでは終わらない

そして、インターナショナルスクールの小学校に通った場合、後述の通り、そのまま中学高校もインターナショナルスクールになることが多いです。

となると、高校卒業までで実に3000万円以上もかかることになります。後述の通り、インターナショナルスクール卒業生は海外の大学に進学することが多いですが、ここから海外の大学へ進学、となると本当にお金は無尽蔵に必要となります。

インターナショナルスクールへの進学を考える際には、インターナショナルスクールがいかにお金がかかるか、また、後述の通り、小学校だけで終わることの方が珍しく、中学以降もインターナショナルスクールに通い続ける可能性が高いのだということをしっかり認識しておいてください。

そうでなければ、なんとなくのノリで「これからは小学生のうちから英語だ」と意気込んでインターナショナルスクールへ入学させてしまったために、後々大きな後悔をすることになってしまいます。

2 学校教育法上の「学校」扱いがされない

原則として通常の中学・高校に入学できない


子どもをインターナショナルスクールへ入学させる場合に必ず気をつけておかなくてはならないのが、インターナショナルスクールの多くは学校教育法上の「学校」(一条校と言います)には当たらないということです。

学校教育法上、保護者は子を小学校と中学校に就学させる義務(就学義務)がありますが、インターナショナルスクールは学校教育法上の小学校・中学校には当たらないので、インターナショナルスクールに通わせたとしても就学義務を果たしたことにはなりません。

そして、学校教育法上の小学校を修了していない以上、同法上の中学校(通常の公立中学や私立中学のこと)に進学することは原則としてできません。

同じく、インターナショナルスクールの中学を卒業しても、通常の高校に進学すること、さらには日本の大学へ進学することも原則としてできなくなってしまいます。

もっとも、最近では国際化を提唱する高校や大学が増えたため、インターナショナルスクールの小学校や中学校の卒業生を受け入れるところも増えてはきました。ですが、そのような高校や大学はまだまだ少数です。

中学校以降もインターナショナルスクールor海外へ

それでは、インターナショナルスクールの小中学校を卒業した子はどこへ行くのかというと、インターナショナルスクールの高校に行くか、海外の高校に行き、大学も海外の大学に進学することが多いようです。

インターナショナルスクールの小学校へ進学させる際は、このように学校教育法との関係も考慮し、大学進学までを見据えた上で決定をしなければなりません。

「小学校だけインターナショナルスクールに通わせて、英語ペラペラの状態で通常の中学校に…」と考えていても、蓋を開けてみれば「え、通常の中学校に行けない!?」「大学は海外!?」なんてことになりかねません。

3 卒業時に英語がペラペラとは限らない

インターナショナルスクールでは、授業はすべて英語で行われます。

そのため、卒業時にはみんなペラペラ…かというと、必ずしもそうとは限りません。

日本人の生徒が多い学校では、どうしても日本語で会話してしまったり、授業中で聴き取れないところは英語のできる子に訳してもらったりしがちになります。

日本語でこそこそ話をしたところで、ネイティブの先生(外国人)には何を話しているか分かりませんしね。こうした生活を続けてしまえば、6年間通い続けたところで、発音がそれほど良いわけでもなく、片言しか話せず、文法もあやふやなままの英語力で終わってしまいます。

確かに英語を耳にはし続けるので、リスニング力はそれなりに身につくでしょうし、同年代の公立学校の子どもと比べれば英語力はずっと高いですが、その差も中学・高校で一気に縮んでしまいます。

そもそも、そのように学校(インターナショナルスクール)での授業に上手くついていくことができなければ、学校生活も楽しくなく登校拒否や転校しなくてはいけなくなる場合もあります。

4 環境になじめず登校拒否・転校する場合も


上記と関連しますが、登校拒否や自己都合による転校は、子どもの内心に劣等感や挫折感を与えてしまいかねません。

外国人講師が多く、授業も英語で行われるインターナショナルスクールの環境は通常の幼稚園・保育園出身の子どもにとっては独特で、子どもによってはいつまでも慣れずに息苦しいという場合もあります。その結果、不登校や転校をしてしまったという子どもも少なくありません。

これが、海外赴任をして現地の小学校に通うというのなら、子ども心にも納得する気持ちがあるでしょうが、日本に暮らしながらインターナショナルスクールに通ったもののなじめなかった子どもとしては、「なんでこんなところで勉強しないといけないの?」と嫌気を募らせてしまっても無理はありません。


「インターナショナルスクールに通わせさえすれば英語はペラペラ」と安易に考えるのではなく、その環境に自分の子どもがなじむことができるのか、学校に行きたがらなくなった場合に適切なフォローをしてあげることができるのか、入学前にしっかりと考えておく必要があります。

5 周囲の英語力についていけず挫折

日本人の多い学校ではどうしても日本語で会話してしまう、ということを上述しました。

一方で、入学者のほとんどがプリスクール(インターナショナル幼稚園)出身者で、入学時点でネイティブ並み(ネイティブと言っても6歳程度のことですが)で、全然ついていくことができずにくじけてしまう、というケースもあります。

子どもの順応力はとても高いので、ここでこらえることができれば半年~1年ほどで同じくらいのレベルになることは十分可能です。ですが、その前に学校生活が苦痛でしかなくなり、登校拒否になってしまうというケースもあります。

子どもの順応力が高いと言っても、それは潜在的な話であって、実際に順応できるかどうかは本人や周囲の環境によるところが大きいです。繰り返しになってしまいますが、英語力がほとんどないままインターナショナルスクールへの入学を考えている方は、子どもの性格をいま一度考え直してみる必要もあるでしょう。

6 入学してみたら日本人ばかりだった

インターナショナルスクールというと、海外から日本へ赴任してきた外国人の子どもや、反対に海外赴任から帰国した日本人の子ども(帰国子女)が大勢いる、というイメージを持っている方も多いと思います。

たしかに、もともとのインターナショナルスクールは、そのような子どもたちを対象として運営されてきました。

ですが、現在では生徒の半分以上が日本人両親のもと日本で育った「普通の日本人」というケースも少なくないようです。このような環境ですと、どうしても日本語で会話をしてしまい、先生が「Don’t speak Japanese!」とたびたび注意するものの、生徒は言うことを聞かない…なんてことになってしまい、当然英語力も身に付きません。

7 他の科目があやしくなる

インターナショナルスクールに通ったからといって、すぐにネイティブ並みの英語力が身に付くわけではありません。

個人差がありますが、ネイティブ並みになるには4年はかかるとも言われています。そのような不十分な英語力のまま受ける他の科目の理解は大丈夫でしょうか?

日本語であっても、高学年の算数や理科では振り落とされてしまう子が続出します。ましてや、英語でそれらの科目を受けるとなるとなおさらです。

また、よく言われるのが、「インターナショナルスクールの理数系の授業は緩い」ということです。通常の学校のように学習指導要領に従う必要がなく、独自の裁量に委ねられているためか、通常の学校の授業に比べて、レベルが低いケースが少なくないようで、英語以外の科目について同年代の子たちよりも遅れてしまうリスクもあります。

そのため、学校に任せきりにするのではなく、場合によっては放課後学習塾に通わせるなどして、バックアップしてあげる必要もあるでしょう。

また、少し話が変わりますが、英語での試験に慣れ過ぎることの弊害もあり、卒業後、通常の中学校や高校の試験を受けるときに、問題文の日本語の意味が理解できない、なんてケースもあるようです。

8 英語以外で通常の学校に勝る部分が少ない


先ほどの「他の科目があやしくなる」ということにも関係してきますが、インターナショナルスクールの英語以外の教科は、先生・授業のレベルがあまり高くないという声もよく挙げられます。

たしかに、先生はネイティブという希少性が圧倒的な強みとなって学校から採用されており、さほど競争のない中で入社、勤務を続けています。

そのため、英語以外の授業スキルはあまり高くないこともあるようです(もちろん、指導面でも素晴らしいネイティブの先生はたくさんいます)。